卒業生からのメッセージ(その2)

情報工学科を目指す受験生の方へ

コンピュータやそれを動かすソフトウェア、楽しいゲームのプログラミングなどに興味を持って、情報工学の道を歩もうとされている方に、情報工学の楽しさと少しばかりの苦労話をさせていただきます。

最初に簡単な自己紹介になりますが、私は三重大学の修士課程を卒業後、ソフトウェアを開発している会社に入社し、入社10年後に情報工学科の後期博士課程でまた学びました。今は会社勤務をしつつ、三重大学の非常勤講師もしています。

会社では今でもプログラミングをして、その楽しさを実感しています。この楽しさを最初に実感したのは、大学の研究室でのことです。研究室には大学の先生や先輩、同級生、後輩の色々な人がいますが、もちろん、情報工学が好きな人の集まりです。この中で研究としてプログラミングしていくときに、時には徹夜をしてデバッグをしましたが、プログラムが最初に動作したときには仲間とともに楽しさを実感できました。プログラミングが佳境に入ると三食とも学食になってしまいますが、このときは、きっと学食のエキスパートにもなっているでしょう。私の場合は「玉子丼、味噌汁抜き」という一番安いセットを愛用していました(このメニューは残念ながら今はありません)。情報工学科に入れば、きっと経験できるかと思います。

情報工学科に入学すれば、将来、恩師と呼ぶようになる師匠が見つかるでしょう。私も大学時代に恩師となる先生に出会い、エンジニアとしての羅針盤にさせていただきました。弟子の最初の修行は師匠の物まねをすることになります。プログラミングであれば、師匠の書いたコードを見て真似をすることになります。論文であれば、その句読点も含めて、物まねをすることになります。疑問があれば直ぐに師匠に質問することができます。情報工学の人はたぶん、一を聞いたら、十を教えるような人が多いので、きっと一杯教えてもらえると思います。逆に長時間、話を聞くという覚悟は必要になりますが。

そして情報工学科に入れば、情報工学を一緒に学ぶ仲間が見つかります。この仲間は卒業してからも、きっと長い間、切磋琢磨する仲間になります。給料の額も含めて切磋琢磨するでしょう。愚痴をこぼす仲間になるかも知れませんが。情報工学は一人でやるものではなく、複数の、それも大人数で実践する学問です。このとき、仕事仲間に加え、大学時代の仲間がいることは大きな意味を持ちます。情報工学科にはきっと仲間がいます。ややオタク系の仲間がいるかも知れませんが。

理系の、それも工学部という実践を重んじる学部の、情報工学という抽象化された理論と実践的なことの両方を学べるところに身を投じるのは、きっと、楽しい人生を送るベースになると信じています。あなたが情報工学を目指し、門を叩くのをお待ちしています!

沖電気工業株式会社 シニアスペシャリスト・エバンジェリスト
博士(システム工学) 五味 弘

 


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