こんな質問がよくあります

情報工学コース Q and A

ここでは本コースに関して、よくいただくご質問とその回答を紹介します。

Q:情報工学コースで勉強すればゲームを作れるようになりますか?

情報工学コースのカリキュラムには、ゲーム作りのみに注目して学ぶ講義や演習はありません。
ただし、プログラミング言語を学ぶ科目においては、数名からなるチームで自由なテーマを決めて自由な内容のプログラムを作成する課題に取り組みます。
この中でゲームを作るチームもあります。
情報工学コースではゲーム作りのみにとらわれない、プログラミングの能力、グループで仕事を成し遂げる経験やノウハウを学ぶことができます。

Q:ゲーム作りが学べる研究室はありますか?

情報工学コースにはゲーム作りを専門に研究している研究室はありません。
しかし、情報工学コースの各研究室で取り扱っている研究テーマの多くは、実社会の問題を情報工学により解決するというチャレンジ精神のあふれる内容です。
斬新なアイディアで研究を成功に導くためには若干のあそび心が必要となる場合もあるかもしれません。
そういう観点では、研究とは知的なゲームといえるでしょう。

Q:情報工学コースで学ぶことができるプログラミング言語は何ですか?

現在、種々の計算機で使われているプログラミング言語は100種類以上あるといわれており、そのすべてを大学で学ぶことは不可能ですし、その必要もないでしょう。
社会においては、プログラマ等の情報工学技術者は必要なプログラミング言語を必要になったタイミングで独学で学ぶことがほとんどです。
その場合に、情報工学のしっかりとした基礎を身につけたプログラマと、そうではないプログラマの間には決定的な差が生じます。
情報工学コースには「プログラミング」を学ぶことを目的とした授業はありますが、特定のプログラミング言語の学習を目的とした授業は開講されていません。
すなわち、情報工学コースではプログラミング言語にこだわらない基本、計算機の動作原理、種々の情報管理や処理の方法を学びます。

とはいうものの、何らかのプログラミング言語を用いなければプログラミングを学べないのも事実です。
情報工学コースでプログラミング学習にC、Java, C++などのプログラミング言語を用います。

Q:CGを描けるようになりますか?

情報工学コースでは、映画やテレビのコマーシャルで広く使われている3次元コンピュータグラフィクス(3D-CG)の「描き方」を学ぶ科目はありません。
ここでいう「描き方」とは、たとえば、「○○という3DCGソフトウェアを使って自動車の走るCGを描く方法」という意味での「描き方」です。
コンピュータグラフィクスという言葉は、本来は「コンピュータに画像を描かせる」という意味を持ちます。
この「コンピュータに画像を描かせる」ための理論や原理、方法については「画像処理(3年次後期)」の科目で勉強します。

Q:CGを描くような研究はありますか?

先の回答で示した、「コンピュータに画像を描かせる」という意味でのCG技術を使って、研究を行っている研究室があります。
たとえば、3DCGにより生成した画像を用いて、視覚を通して知覚される感覚と乗り物酔いの関係を研究しています。

コンピュータと映像・画像分野の結びつきは、近年ますます強くなっています。
コンピュータは映像・画像を「描く」ためだけの道具ではなく、画像を「見る」「理解する」「送る・ためる」等、あらゆる映像関係分野で活用されています。今後、これらの分野でのコンピュータの重要性は増すばかりでしょう。

また、超音波断層像やMRI等の医療分野で応用できる画像処理技術の研究、ロボットの目(ロボットビジョン)の研究、高品質な映像を効率よく伝送・蓄積するための技術について、ソフトウェア・ハードウェアの両面から研究している研究室もあります。

Q:パソコンに詳しくないが大丈夫ですか?

もちろん大丈夫です。情報工学コースで学ぶことはパソコンに関することだけではありません。
計算機=パソコン(パーソナルコンピュータ)ではありません。
計算機は社会のありとあらゆる場所に利用されています。
たとえば、携帯電話やデジタルハイビジョンテレビ、DVDレコーダなどにも計算機は使われています。
情報工学コースではパソコンではなく、「計算機」について学びます。

パソコン経験者で計算機の操作に慣れている人が、プログラミング演習などの科目でタイピング(キーボードを打つこと)が速くて作業効率がよいので、結果としてよりたくさんのことが学べることは事実です。この意味ではパソコン初心者など計算機の操作に不慣れな人はハンデを持っていると言えるでしょう。

しかし、計算機の操作の習得に関しては、自習、独習にまさるものはありません。
また、プログラミングの習得も、学生諸君の予習復習なしには不可能でしょう。

Q:研究室には何年生で入るのですか?

研究室配属は4年次進級と同時に行われます。各研究室では、卒業研究、専門英語、情報マネジメント等の活動を研究室ごとのテーマに沿って行います。

Q:情報工学コースでは Word や Excel も勉強するのですか?

情報工学コースでは Word や Excel など、特定のアプリケーションソフトの使い方を授業としては扱いません。これらのソフトウェアの使い方は、卒業研究やレポートの作成を通じて個人学習として学ぶことになります。卒業研究のプレゼンテーションではPowerPoint 等のプレゼンテーションソフトを利用することが多いですが、これらの使い方も自習により修得します。

同様に、特定の企業が提供するプログラミング言語や開発環境(例えば Visual Basic、C#、ActionScript など)を学ぶ授業もありません。

これらのアプリケーションソフトウェアや開発環境について、授業で扱わない理由は以下の通りです。

  1. 特定のソフトの使い方は、情報工学という学問の範疇ではない。
  2. これらのソフトや開発環境は、移植性が低い(そこでしか動かない)上に頻繁にアップデートを繰り返しています。新しくなった機能を追いかけ始めると、それだけで手がいっぱいになってしまい、情報工学に関して普遍的な事柄を学ぶという学科の目的を達成できなくなります。
  3. 初学者の段階から特定の環境になれすぎることは良くないと考えています。過度にその環境に依存してしまう危険性があります。
  4. アプリケーションソフトウェアの使い方は自学自習で十分に修得可能であると考えています。参考となる図書は、附属図書館や各研究室に多く所蔵されています。