研究概要

動画グループ

1. 高効率動き検出方式の研究

次世代の動画像符号化規格HEVCにおいても、実現上の最大のネックになる動きベクトル検出を、高効率で実行する連結ブロック照合法を開発しています。

* H.264/AVC、HEVCに対応する整数画素精度高効率探索法
* 画質改善を両立するビット切り詰め型整合度評価に最適な関数
* 外付けメモリに対する速度要求を最小化する並列型動き探索法

2. 超高精細動画像符号化に対応する動き探索ハードウェア構成法の研究

連結ブロック照合法に対応する動き探索ハードウェアの構成法、汎用プロセッサ向けSIMDデータパス構成法を研究しています。

*連結ブロック照合法に対応するシストリック動作の1次探索器構成法
*複数ブロックの同時並列処理に対応する詳細探索用マルチプロセッサの構成法
*任意の10画素幅ライン、18画素幅ラインを高効率でアクセス可能とするスクエアサーチ向きメモリ構成法
*汎用プロセッサに組み込み可能な高並列SIMDデータパスの構成法

3. 画像認識用SIMD型プロセッサアーキテクチャの研究

物体認識の中核技術として注目されるSIFT、SURFに対応するSIMD型並列プロセッサの高性能/コスト構成法を研究しています。

* SIFT、SURFの高効率処理法
* リアルタイム画像認識に対応する高性能/コスト構成法
* 2次元アドレスアクセスキャッシュ構成法

並列グループ

1. タスク並列スクリプト言語MegaScriptに関する研究

インターネットで接続された計算機群を用いて大規模な計算処理を行うには、多数のプログラムをタスクとしてこれらの計算機で実行し、必要な処理結果をタスク間で受け渡しするような並列制御が必要です。このような並列制御をスクリプトとして簡単に記述できるプログラミング言語MegaScriptを設計し、その処理系を開発しています。

* 実用的な大規模並列処理を簡潔に記述できるプログラミング言語の設計
* 性能の異なる計算機上を効率良く利用するスケジューリング手法
* 大規模な環境上で高速に動作する言語処理系の開発

2. 並列プログラムの統合開発環境に関する研究

難易度の高い並列プログラム開発を効率的に行うためには、統合開発環境によるプログラミング・チューニング・デバッグの支援が必要です。そこで、プログラムコードとそれを可視化したビジュアル表現を併用することで、実用的な開発に利用できるシステムを構築することを目指しています。

* プログラムが表す並列構造の可視化手法
* プログラムコードとビジュアル表現のリアルタイム同期手法
* 負荷や通信量など実行時情報の可視化手法

3. GPGPUプログラミングに関する研究

PCのグラフィック処理に使用されているGPUはCPUを上回る計算能力を持ち、これを一般の高性能計算に用いるGPGPUが注目されています。しかし、現状ではハードウェアに密着した低レベルのプログラミングが必要であるため、より容易で移植性の高いプログラミング手法を研究しています。

* 簡単なGPGPUプログラミング・フレームワークMESI-CUDAの設計・開発
* GPUに適したメモリ利用・データ転送の最適化手法

ハードウェアグループ

1. 細粒度並列処理環境の実現方式に関する研究

近年、科学技術計算用高性能計算機に限らず、パソコン等の身近な計算機でも複数のプロセッサを搭載するマルチプロセッサシステムが広がりつつある。そこで、それらの複数のプロセッサを効率的に利用できるハードウェアに関する研究を行う。

* タスクのスケジューリングをハードウェア支援することで高速化を目指す
* コンテキストスイッチ(タスク切替え)のハードウェア支援

2. 低消費電力プロセッサに関する研究

パソコンや携帯電話の性能は年々向上しているが、一方で消費電力は増加の一途をたどり、バッテリ駆動時間の短縮や大容量バッテリ搭載による端末の計量化が阻害されている。そこで、無駄な電力を削減することで、性能を低下させずに低消費電力化を実現するシステムについて研究開発を行う。

* 可変パイプライン段数プロセッサに関する研究
* 可変レベルキャッシュシステムに関する研究