卒業生からのメッセージ(その3)

私は「24」という海外ドラマが大好きでした。犯人を特定する顔認識、逃走する車を逃がさない動体追跡、これらの技術に興味をもったことが情報工学科を選んだ理由です。

大学時代には医用画像処理を学びました。心臓の動きを追跡する、専門的で難しい研究です。これまで蓄積された膨大なソースコードの解読、医療用語や追跡アルゴリズムの理解に四苦八苦する毎日でした。ただ、その中で一つだけ気づいたことがあります。実装によって追跡結果が変わり、その結果を目で見ることができた時に感じる「面白さ」です。

「画面を通して何かを伝えたい」就職活動から部署配属の面談まで私がよく口にしたフレーズです。自身の取り組んだ製品が市場に出た時、お客様(自分も含め)がその製品を目で見ることができる、そんな仕事がしたかったからです。また、在学中に学んだ画像処理の技術も無駄にしたくないと考えていました。せっかく学んだ技術、何か活かせないだろうか?

そして現在、私はスキャナーに関するプロジェクトの一員として画像処理とも関わりながら開発業務に取り組んでいます。皆さんはどうやったら目の前の「紙」が「データ」になるか、想像できますか?わくわくしますよね。

最後になりますが、私は「ソフトの分野は広く深い世界」だと思っています。言い換えると、どんな道でも切り開くことができます。もし少しでも興味があれば挑戦してみてください。きっと自分の道が見つかるはずです。

ブラザー工業株式会社
神谷信行